合コンでの、「なんで好きになったかなー」を大切にするための本。

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興奮度★★★★

この記事のポイント。

全くタイプでない人を好きになる夢を見たことはありませんか。大好きな人のどこが好きか、という理由を正確に言えなかった経験はありませんか。自分の中で自分が分かっている部分が意識であり、自分の中にあるけれど自分では分からない部分が無意識です。

そして、意識の中心が自我であり、無意識も合わせた心の全体の中心が自己になります。

理想は、意識と無意識が同じ方向を向いていることです。例えば、無意識の領域で惹かれる人と、意識の上で惹かれる人が違ければ、生きててしっくりこないですよね。意識の上では興味のない人が、無意識では強く求めている人、ということもあるかもしれません。

合コンも人生も、自我だけでなく自己を中心にして捉えてみることが大切な気がしています。そんな気持ちにさせてくれる一冊です。

▼本文はここからです。

人の心はわからない。

人生の達人と言われた臨床心理学の河合隼雄先生を特集した1冊です。
著者は、河合隼雄先生の息子さんの河合俊雄さん。俊雄さんも臨床心理学者なんですね。

河合隼雄先生の本は大好きで、色々と読みましたが、なんといってもとても分かりやすいところが特徴だと思います(もちらん難解なものも…)。
ユング心理学のことを何も知らずとも、スイスイ読める。
そして、やさしさに溢れているというか、とても心にしみるんですよね。

言葉一つ一つの重みが違います。例えば、『こころの処方箋』という本の中では、

「一般の人は人の心がすぐわかると思っておられるが、人の心がいかにわからないかと言うことを、確信を持って知っているところが、専門家の特徴である」(河合隼雄,『心の処方箋』新潮文庫)

心の専門家である先生が「人の心などわかるはずがない」と言うのです。
とても面白いですよね。
けど、何かを追求していくということは、そうなのかもしれません。

芸でも、スポーツでも、お笑いでも、音楽でも、そして合コンでも…突きつめれば突きつめるほどに、まだまだわかっていない…となるのかもしれません。なんでも知ってますから! と言われると逆に嘘くさいというか。

専門的な部分もあるので、詳しい内容は直接読んでもらうのが一番です。
ここでは、ユング心理学でいう、意識と自我、無意識と自己、を簡単に説明してみます。
この概念を知ると、これからの合コンが変わるかもしれません。

意識と無意識。

まず、意識と無意識です。
これは通常よく使うのでだいたい分かりますよね。

ざっくり言えば、自分の中で自分で分かっている部分が意識であり、自分の中で自分が分かっていない部分が無意識です。
無意識の代表的なものは、例えば夢。

コントロールできないモノ。

夢ってとても不思議です。
どんな夢を見るのか、どんな展開で進むのか、誰が出てくるのか、一切自分でコントロールできないですよね。
しかし、その夢は、その人にしか見れないし、間違いなくその人が作りだしている訳です。

つまり、夢は、自分の中で自分が分かっていない部分から作られているんです。
これを無意識と読んでいる訳です。

逆に意識は、自分で分かっている部分です。
なので、これは沢山ありますよね。ラーメンが好き。青が好き。来週スキーに行きたい。早起きしよう。私は真面目な人が好き。…。

このように、自分の中で自分が分かっている部分を意識と呼ぶ訳です。
この意識の中心が自我であり、意識と無意識とを含んだ心の全体の中心が自己である、とユング心理学の創始者であるユングは考えた訳です。

意識と無意識、全てが自分。

つまり、自分とは何なのかなと考えた時に、意識だけでなく、無意識も重要視するのがユング心理学なんです。
さて、頭で望んでいるタイプの人と全く違った人を好きになった経験、ありませんか。

自分が一切タイプじゃない人と恋に落ちている夢を見たことはありませんか。大好きだった人の一体どこが好きだったのかを正確に言えなかった経験はありませんか。
もしかすると、無意識で自分がそれを望んでいるのかもしれません。

または、それを望んでいる自分もいる、とも言えるかもしれません。
なんかよくわからないけど、自分の自己は、それを求めている。
大好きな物や没頭できる趣味がそうかもしれません。

なぜ好きなのか。

なぜかわからないけど、これならずっとやってられる。
なぜかわからないけど、無性に惹かれる自分がいる。僕が大好きな曲の一つに、西野カナさんの「Darling」という曲があります。その中に、

Ah なんで好きになっちゃったのかなぁ

Ah だって好きになっちゃったんだから
変わり者同士うまくやっていこうよ
(作詞:Kana Nishino)

という歌詞があります。
自分でもなんで好きなっちゃったのかがわからない。人を好きになるということを全くコントロールしていないんですよね。

とても素敵な歌詞です。
また、映画「耳をすませば」の主人公の雫ちゃんが映画の中で、受験勉強そっちのけで、夢中になって物語を書いているシーンがありますよね。
雫ちゃんの自己が「どうしても書いてみたい」といっているのかな、なんて僕は思ったりしました。

意識と無意識が同じ方向を向いていれば、生きにくさはない。

このように、意識と無意識が同じ方向を向いていることが理想なのは言うまでもありません。
もし、心の底ではどうしてもあの人に惹かれる(無意識)、でも意識の上では別の人と付き合いたいと思っている…これだと何かしっくりこないし、そんなの面白くないですよね。

ただ、とてもシンプルなこのことが意外に難しかったりします。
大人になればなるほど、自分の「心の声」にだけ耳を傾ける訳にはいかなくなってしまうのかもしれません。

けど、人生一度きり、やはり自分の自己に忠実に生きたいですよね。
自分の人生が終わる時に、「やりきったー」と僕は感じたい。
その手助けをしてくれるのがユング心理学なのかなと思います。
そして、その時にやさしく寄り添って共に歩んでくれるのが河合隼雄先生だと僕は思います。

河合隼雄先生の著作は名作揃いなので、全てお勧めではありますが、入門には、この一冊がお勧めです。

一人で部屋で考えていても自分を知ることはできません。
合コンで様々な人と出会い、色々なことを感じる。
自分の意識ではこう感じている…。
自分の無意識はどうなのだろう…。

つまり、自分を掘り下げてみる。
自己を中心に考えて参加してみる合コン…きっと無駄にはならないと思います。

【引用・参考文献】
河合俊雄(2018)『NHK 100分 de 名著 河合隼雄スペシャル:こころの構造を探る』
NHK出版
西野カナ『Darling』作詞:Kana Nishino,作曲:Takashi Yamaguchi

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