合コンと恋愛心理学。その5。合コンと恋愛スタイル①。

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今日は、齋藤勇(編著)『イラストレート 恋愛心理学:出会いから親密な関係へ』を参考に、合コンと「恋愛スタイル」について書いてみます。心を開いている人もいれば、心を閉じている人もいます。その理由をアタッチメント理論で考えてみます。

開いてる人。閉じてる人。

合コンに参加すると、「この人心開いてるなー」という人にお会いする時があります。また、「この人心閉じてるなー」という人とお会いすることもあります。どちらが良くて、どちらが悪い訳ではありません。ただ、色々な人がいます。

これは恋愛や職場でも同じです。恋人と一心同体になるほどの親しさを求める人もいれば、恋人にすら心の底をなかなか見せない人もいます。仕事の悩みを気軽に上司や部下に相談できる人もいれば、周りには打ち明けずに一人で解決しようとする人もいます。

なぜ、人によりここまでの差が生じるのか。一つの解を与えてくれるのがアタッチメント理論になります。

アタッチメント理論。

アタッチメント理論の研究によると、人の恋愛スタイルは、その人が母親とどのような関わり方をしたかに影響されるといいます。母親との関わり方で、その人のその後の恋愛スタイルが決まってしまうということです。

ちなみに、アタッチメント理論とは、対象者との愛情の結びつきをもつことの必要性を説明した理論です。提唱したのは、イギリスの児童精神医学者ジョン・ボウルビー。

アタッチメントとは「愛着」のことで、「人が特定の他人に対して形成する情緒的な絆」(齋藤,2006)のことを言います。また、アタッチメント行動とは、対象となる者との物理的、精神的接触をもとうとする行為(齋藤,2006)のことを言います。

例えば、赤ちゃんは無力な存在です。危険を避けることもできなければ、不安の原因を除去することもできません。そのため、養育者(多くは母親)に対してアタッチメントを形成します。そして、泣いたり、微笑んだり、しがみついたりします。この行動がアタッチメント行動になります。

赤ちゃんは、アタッチメント行動を取ることにより、養育者から保護や安心感を引き出そうとしている訳です。この時、養育者から保護や安心感を引き出すことに成功し、アタッチメント対象者との関係が満たされると、「自分への自信や他者への信頼が育まれ、人間関係の広がりを促す」(齋藤,2006)といいます。

恋愛は成人のアタッチメント。

このようなアタッチメントが、乳幼児期だけでなく成人期でも行われます。成人期のアタッチメントは友人や恋人との関係で形成され、情緒的なサポートを求めるという特徴があります。乳幼児期とは違い、保護や安心感を相手から引き出すものではありません。

ハザンとシェイヴァーという研究者によれば、恋愛は成人のアタッチメントです。そして、乳幼児期のアタッチメントが、安心型、不安-あいまい型、回避型に分類されるのと同じように、成人の恋愛も安心型、不安-あいまい型、回避型に分類されることを研究により明らかにしています。

乳幼児期のアタッチメントの代表的な特徴は次の四つです。一つ目は「近接性の維持」です。乳幼児は母親に近寄り、接触を求めます。二つ目は、離れることや相手を失うことで苦悩を経験する「分離苦悩」です。

三つ目は「安全な避難所」です。乳幼児はストレスのかかる状況では、母親に保護やサポートを求め、安心感を得ようとします。四つ目は「安心基地」です。母親との関係が安定していると、探索的行動が活発になります。

言うまでもなく、この四つの特徴は恋愛関係にも当てはまります。誰でも恋人との距離は友人より近くなるし、触れ合いたくもなります。「別れ」は大人にとっても大きなストレスになります。そして、不安な時や仕事で失敗した時には恋人に慰めてもらいたくなるし、恋人とうまくいっていれば仕事にも積極的に取り組むことができたりします。

このように、乳幼児期のアタッチメントと成人期のアタッチメントは多くの共通点を持っていることがわかります。だからこそ、母親との関わり方で、その人のその後の恋愛スタイルが決まってしまう訳です。

ただ、乳幼児期のアタッチメントと成人期のアタッチメントで、一つ大きな違いがあります。それは、乳幼児期の関係は与えられるだけの一方向ですが、成人期の恋人同士の関係はお互いに与え合う、双方向の関係である必要があるということです。

与えてもらうだけでなく、自分も与える側になる。お互いにサポートし合う。これが大人の関係です。

親との関係は洋服の一番上のボタン。

では、逆を考えてみましょう。乳幼児期の与えられるだけの一方向の関係が満たされていないとどうなってしまうのか。母親に近寄り、接触を求めても拒否されたり、「分離」を経験したとしたらどうなるでしょうか。

ストレスのかかる状況で母親から保護やサポートを受けられなかったとしたら、どうでしょうか。母親との関係が安定していなかったら、どうでしょうか。つまり、ある人は乳幼児期の与えられるだけの一方向の関係が満たされています。ある人は乳幼児期の与えられるだけの一方向の関係が満たされていません。

時が経てば、二人とも大人になります。外から見れば立派な社会人です。しかし、二人の育ってきた環境は天と地ほども違います。その二人が恋愛をします。繰り返しになりますが、人の恋愛スタイルは、その人が母親とどのような関わり方をしたかに影響されるといいます。

養育者から保護や安心感を引き出すことに成功し、アタッチメント対象者との関係が満たされた人は、「自分への自信や他者への信頼が育まれ、人間関係の広がりを促す」(齋藤,2006)ことができます。つまり、恋愛でも職場でも「良好な人間関係」を築き上げることができます。

しかし、養育者から保護や安心感を引き出すことに失敗し、アタッチメント対象者との関係が満たされなかった人はどうなってしまうのでしょうか。多くの場合、人間関係で苦労することになります。

親との関係は洋服の一番上のボタンのようなものである。このボタンをかけ違えるとつぎつぎに間違ってボタンをかけていくことになる。親との関係が神経症的であったものは恋人との関係も間違える。

加藤諦三(1994)『人生の悲劇は「よい子」に始まる:見せかけの性格が抱える問題』PHP研究所,p.214

ボタンをかけ違えていることが問題なのではありません。一番の問題は、「ボタンをかけ違えている自分」に気づいていないことです。ボタンをかけ違えていることに気づくことができれば、ボタンを掛け直すことができます。

齋藤(2006)によれば、成人期以前の親子のアタッチメント関係は、恋愛での考え方、感じ方、行動に影響します。そして、その背後には、イメージが存在しています。次回は、そのイメージである「内定作業モデル」について書いてみます。

合コンには人生を豊かにする力があります。合コンで、皆さまの人生が更に豊かになることを願っています。

【引用・参考文献】

加藤諦三(1994)『人生の悲劇は「よい子」に始まる:見せかけの性格が抱える問題』PHP研究所

齋藤勇(編著)(2006)『イラストレート 恋愛心理学:出会いから親密な関係へ』誠信書房



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