合コンと恋愛心理学。その5。合コンと恋愛スタイル③。

その他

今日は、齋藤勇(編著)『イラストレート 恋愛心理学:出会いから親密な関係へ』を参考に、アタッチメント・スタイルと「恋愛スタイル」について書いてみます。アタッチメント理論によれば、母親との関わり方で、その人の恋愛スタイルが決まります。

人が自分や他人についてもっているイメージ。

前回書いた『合コンと恋愛心理学。その5。合コンと恋愛スタイル②。』では、ハザンとシェイバーが提唱する「内的作業モデル」について書きました。「内的作業モデル」とは、ざっくり言えば、「人が自分や他人についてもっているイメージ」(齋藤,2006)のことです。

そして、内的作業モデルには、自分が人にどのくらい受け入れられる存在かを表す「自己モデル」(齋藤,2006)。人が自分の要求にどのくらい応じてくれる存在かを表す「他者モデル」(齋藤,2006)。の二つがあるということを書きました。

そして、人は各々が持つ「自己モデル」と「他者モデル」というイメージの影響を大きく受けながら、様々な人間関係を築き上げていきます。その時、アタッチメント対象者との関係で各々が示す大まかなパターンがあります。そのパターンを、「アタッチメント・スタイル」と呼びます。

関係不安と親密性回避。

言うまでもなく、アタッチメント・スタイルには個人差があります。その個人差の程度を表すために用いられる軸が、「関係不安」と「親密性回避」の二つです。

「関係不安」とは、アタッチメント対象者に拒否されることや愛されていないことへの不安の程度(齋藤,2006)のことです。「親密性回避」とは、アタッチメント対象者との親密性や相互依存を避けようとする傾向(齋藤,2006)のことです。

「自己モデル」が否定的な場合、その人は「自分は人から愛される価値はない」と感じています。すると、「関係不安」傾向は高くなります。「他者モデル」が否定的な場合、その人は「人は自分の要求には応じてくれない」と感じています。すると、「親密性回避」傾向は高くなります。

恋愛で考えてみましょう。「恋人が自分から離れていくのでは」と不安になることが多い人は、「関係不安」傾向が高いといえます。もしかしたら、「自分は人から愛される価値はない」という否定的な「自己モデル」を持っているのかもしれません。

恋人に対しても「心を開かない」という人は、「親密性回避」傾向が高いといえます。もしかしたら、「人は自分の要求には応じてくれない」という否定的な「他者モデル」を持っているのかもしれません。 

アタッチメント・スタイル。

バーソロミューという研究者によれば、「自己モデル」と「他者モデル」が肯定的か否定的かにより、人は、安心型、とらわれ型、拒絶型、恐れ型、の四つのアタッチメント・スタイルに分類されるといいます。

『イラストレート 恋愛心理学:出会いから親密な関係へ』(齋藤勇(編著),誠信書房)の29ページで紹介されているBartholomew&Horowitz(1991)の記述文を引用し、それぞれのタイプにどのような特徴があるのかを見てみます。

安心型

私にとって、人と情緒的に親しくなるのは難しいことではない。私は気楽に人を頼ることができ、また人から頼られるのも快く思う。一人でいることや、人から受け入れられないことがあっても気にしない。

とらわれ型

私は、人と情緒的に親しくなりたいと思っているが、人はそれほど私と親しくなりたいわけではないと思うことがよくある。親しい人間関係がないと落ち着かないのだが、私が人を大切だと思うほどには、その人たちは私のことを大切に思ってくれていないのではと心配になることがある。

拒絶型

私は、情緒的な親しい関係などなくても平気である。自立して、自分のことを自分で対処することは大変重要なことだと思う。私はあまり人を頼りたくないし、できれば人からも頼られたくない。

恐れ型

私は、人と親しくなることに少し不安を感じる。人と情緒的に親しい関係を持ちたいとは思うが、人を完全に信頼し、頼りにすることには抵抗がある。人と親しくなりすぎることによって自分が傷つくのではないかと心配になることがある。

齋藤勇(編著)(2006)『イラストレート 恋愛心理学:出会いから親密な関係へ』誠信書房,p.29

少し長くなりましたが、各タイプの特徴がとてもわかりやすく書かれた記述文なので、そのまま引用しました。

安心型=無敵。

齋藤(2006)は、「安心型は、アタッチメントの安心感を築くことができる唯一の健全なスタイルである」と述べています。安心型は、「関係不安」と「親密性回避」傾向がどちらも低く、自己肯定、他者肯定のスタイルであり、無敵であることがわかります。

「関係不安」傾向が高く、「親密性回避」傾向が低いのが、とらわれ型です。自己否定、他者肯定のスタイルです。

逆に、「関係不安」傾向が低く、「親密性回避」傾向が高いのが、拒絶型です。自己肯定、他者否定のスタイルです。

そして、「関係不安」傾向が高く、「親密性回避」傾向も高いのが、恐れ型です。自己否定、他者否定のスタイルです。

「とらわれ型」が親しさを求め過ぎてしまうのは、安心感が欲しいからです。「拒絶型」や「恐れ型」が人を避けるのも、人を避けることで安心感が得られるからです。

自分の恋愛スタイルを知ることが大切。

齋藤(2006)によれば、「安心型」以外の方法で安心感を得ようとしても、精神的健康や主観的幸福感に結びつかず、不健全だといいます。「安心型」以外のアタッチメント・スタイルでの恋愛では最終的に幸せになることはできないということです。

しかし、『イラストレート 恋愛心理学:出会いから親密な関係へ』(齋藤勇(編著),誠信書房)の35ページで紹介されているKirkpatrick & Hazan(1994)の4年間の追跡調査によれば、親密性回避傾向が高い人でも、恋愛関係をもつことで親密性回避傾向が低くなることが報告されています。

また、「安心型」の人でも、恋愛関係の崩壊により、「安心型以外」のスタイルに変化してしまうことも報告されています。

つまり、人は変わるということです。そして、人は変われるということです。

そもそも、何のために恋愛をするのか。それは幸せになるためなはずです。しかし、もし自分のアタッチメント・スタイルが「とらわれ型」や「拒絶型」や「恐れ型」であると、本当の意味で人と親しくなれず、そのままでは幸せになることはできません。「安心型」のアタッチメント・スタイルを目指していくことが大切です。

その第一歩として大切なことは、自分のアタッチメント・スタイルを知ることです。自分の恋愛スタイル、人付き合いのスタイルを知ることです。そして、認めることです。

親との関係は洋服の一番上のボタンのようなものである。このボタンをかけ違えるとつぎつぎに間違ってボタンをかけていくことになる。親との関係が神経症的であったものは恋人との関係も間違える。

加藤諦三(1994)『人生の悲劇は「よい子」に始まる:見せかけの性格が抱える問題』PHP研究所,p.214

「安心型」として大人になった人と、「拒絶型」や「とらわれ型」として大人になった人では、そもそもスタートラインが違います。スタートラインが違うということは、走る距離が違います。走る距離が違うということは、走り方も変わるはずです。この記事が、皆様自身の恋愛スタイルを一度見つめ直すきっかけになれば幸いです。

合コンには人生を豊かにする力があります。合コンで、皆さまの人生が更に豊かになることを願っています。

【引用・参考文献】

加藤諦三(1994)『人生の悲劇は「よい子」に始まる:見せかけの性格が抱える問題』PHP研究所

齋藤勇(編著)(2006)『イラストレート 恋愛心理学:出会いから親密な関係へ』誠信書房



プロフィール
この記事を書いた人
majima.minoru

これまでに4000件以上の合コンをセッティングし、4000件以上の合コンを見てきました。
合コンと本とスペアリブが好きです。当サイトを運営しています。

majima.minoruをフォローする。
その他
この記事をシェアする。
majima.minoruをフォローする。
間島稔の合コン図書館

コメント

タイトルとURLをコピーしました