合コンと恋愛心理学。その6。片思い必勝法②。

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前回書いた 「合コンと恋愛心理学。その6。片思い必勝法。」では、片思いの必勝法として、「自分を知ること」「相手を知ること」そして、「親密性を高める努力をすること」を紹介しました。今日は、片思い必勝法を深掘りしてみます。

愛情の三角理論。

まず、「愛情の三角理論」の復習です。心理学者であるスタンバーグによれば、愛情は、親密性、情熱、コミットメントの、3つの要素から成り立ちます。「愛情の三角理論」では、親密性、情熱、コミットメントを頂点とした三角形を作り、この三角形で愛情を説明します。

親密性、情熱、コミットメントをざっくり説明すると、お互いの親しみの深さのことが親密性です。お互いどれくらい夢中になっているかという興奮の強さ(性的欲求を含む)のことが情熱です。どれくらい離れない関係かという関連の強さのことがコミットメントです。

親密性、情熱、コミットメントという三つの要素が影響を与えながら、三角形の面積と形が決まります。そして、三角形の面積と形で、恋人同士の愛情や、長年連れ添った夫婦の愛情、友達との愛情… という様々な愛情を説明することができます。

愛情の三角理論尺度。

「愛情の三角理論」には、「愛情の三角理論尺度(TLS[Triangular Love Scale])」というものがあります。与えられた質問文の中に〇〇という部分があり、その〇〇のところに愛情を測りたい人の名前を入れることで、愛情を「見える化」させることができます。

『イラストレート 恋愛心理学:出会いから親密な関係へ』(齋藤勇(編著),誠信書房)の49ページで紹介されている日本語版TLSの代表的な15項目を書いてみます。

1 私にとって〇〇さんとの関係よりも大切なものなど他にない。

2 私と〇〇さんとの関わりは揺るぎないものである。

3 〇〇さんは私にとって非常に魅力的な人だ。

4 〇〇さんとの関係は居心地の良いものである。

5 〇〇さんについて空想にふけることがある。

6 〇〇さんなしの生活など考えられない。

7 〇〇さんを見るだけでドキドキしてしまう。

8 〇〇さんとの関わりは何ものにもじゃまされないものである。

9 私は必要なときには〇〇さんを頼ることができる。

10 〇〇さんとの関係を終わらせることなど私には考えられない。

11 ロマンチックな映画を見たり本を読んだりすると、つい〇〇さんのことを考えてしまう。

12 〇〇さんとはうまくコミニケーションを取れている。

13 ふと気がつくと〇〇さんのことを考えている時がよくある。

14 私と〇〇さんの関係は温かいものである。

15 〇〇さんは必要な時には私を頼ることができる。

齋藤勇(編著)(2006)『イラストレート 恋愛心理学:出会いから親密な関係へ』誠信書房

失敗文の〇〇に愛情を測りたい人の名前を入れたら、あとは、その程度を表す数字を次の1~9の中から選んでいきます。

1 全く当てはまらない。

3 あまり当てはまらない。

5 どちらでもない。

7 やや当てはまる。

9 非常に当てはまる。

※2.4.6.8は、それぞれの中間です。

15項目のそれぞれに、1~9の数字を入れて回答したら、次に、親密性、情熱、コミットメントのそれぞれの程度を計測します。質問文4.9.12.14.15は親密性のポイントを表しています。質問文3.5.7.11.13は情熱のポイントを表しています。質問文1.2.6.8.10はコミットメントのポイントを表しています。

片思いを「見える化」する。

親密性、情熱、コミットメントのそれぞれの質問文に対する答えの合計が、各要素のポイントになります。因みに、金政・大坊(2003)の調査によれば、大学生875名の平均は、親密性29.3点、情熱26.95点、コミットメント23.81点です。わかりやすくするために図に書いてみます(図1)。

図1

この大学生への調査では、〇〇に何を入れるように指示があったのかが定かではありません。しかし、親密性とコミットメントがそれなりに高いことから、「一目惚れ」のような形でも「片思い」のような形でもないと想像できます。「親しい異性」とかそのあたりではないかと思います。

このように、自分の「誰か」に対する愛情を「見える化」することがでると、自分のこと(自分の三角形)を知ることができます。そして、相手の三角形を考えることで、ギャップの存在に気づくことができます。ギャップの存在を正確に知ることができれば、片思いで空回りすることも少なくなります。

モテる人というのは、相手が求めていることや相手の現時点での感情の状態をかなり正確に把握することができます。愛情の三角理論で言えば、自分の三角形の形に振り回されてしまうのではなく、自分自身の形を知っています。相手の三角形の形を冷静に把握しています。そして、自分のできることを行っています。その結果、モテています。

片思いの失敗例。

もう少し深掘りしてみます。前回の記事で、わたしの片思いでの失敗について書きました。なぜ失敗したのか。そして、どんな行動をとるべきだったのか。ということを反省を踏まえて書いてみたいと思います。まず、愛情の三角理論でわたし自身の片思いの三角形を「見える化」してみます(図2)。

図2

一目で分かりますが、突出しているのは情熱です。45ポイントです。もう大好きですね。一方、親密性は12ポイント。コミットメントは9ポイントです。

コミットメントは、どれくらい離れない関係かという関連の強さのことなので、現在の状況で考えれば、高くなるということはあり得ません。では、片思いの相手の三角形を見てみましょう。彼女の気持ちは分からないので、想像で作ってみます。

まず、親密性とコミットメントはわたしと同じポイントにしてみます。次に、彼女のわたしに対する情熱を入れます。情熱の質問文は次の5つです。ここにわたしの名前を入れてみて、彼女の気持ちを想像してみます。

3 majimaは私にとって非常に魅力的な人だ。

5 majimaについて空想にふけることがある。

7 majimaを見るだけでドキドキしてしまう。

11 ロマンチックな映画を見たり本を読んだりすると、ついmajimaのことを考えてしまう。

13 ふと気がつくとmajimaのことを考えている時がよくある。

そうです。全て全く当てはまらないことがわかります。全て1です。つまり、彼女のわたしに対する情熱はトータルで「5」と予想できます。すると、愛情の三角理論における彼女のわたしに対する三角形は次のようになります(図3)。

図3

ちっちゃ。ただ、これが現実です。ここで大切なことは、図2と図3のギャップです。一度並べてみます。

図2
図3

物凄いギャップです。三角形の面積も違えば形も全然違います。「熱い想い!」と言えばそうなのですが、いかんせん温度差が半端ありません。まして、愛情の三角理論によれば、情熱には興奮の強さ(性的欲求を含む)が含まれています。女性にしてみれば、はっきり言って少し怖いです。

このように、わたしの片思いはうまくいかなくて当然です。では、どうすればよかったのでしょうか。自分の想いのまま突っ走ってしまうのではなく、どのように行動すればよかったのでしょうか。

失敗から学ぶ。

まず、自分の三角形の形を冷静に把握することです。「おっ!熱くなり過ぎてるよ!」「情熱半端ないっすよ!」と、自分を冷静に見つめることです。そして、相手の三角形の形を冷静に把握することです。すると、相手は自分ほどには熱くなっていないことがわかります。

この状態で初めて作戦を立てることができます。もう一度三角形を構成している要素を見てみます。親密性、情熱、コミットメントの三つでした。情熱を測定する文章がこの五つです。

3 〇〇さんは私にとって非常に魅力的な人だ。

5 〇〇さんについて空想にふけることがある。

7 〇〇さんを見るだけでドキドキしてしまう。

11 ロマンチックな映画を見たり本を読んだりすると、つい〇〇さんのことを考えてしまう。

13 ふと気がつくと〇〇さんのことを考えている時がよくある。

齋藤勇(編著)(2006)『イラストレート 恋愛心理学:出会いから親密な関係へ』誠信書房

コミットメントを測定する文章がこの五つです。

1 私にとって〇〇さんとの関係よりも大切なものなど他にない。

2 私と〇〇さんとの関わりは揺るぎないものである。

6 〇〇さんなしの生活など考えられない。

8 〇〇さんとの関わりは何ものにもじゃまされないものである。

10 〇〇さんとの関係を終わらせることなど私には考えられない。

齋藤勇(編著)(2006)『イラストレート 恋愛心理学:出会いから親密な関係へ』誠信書房

片思いの状況で言えば、そもそもお付き合いしていないのでコミットメントの要素はほぼ関係ありません。なので、ここでは考えずに進めます。情熱を測定する文章をよく見てみみしょう。全て相手の感じ方です。つまり、こちら側がどれだけ努力しても相手の「情熱」はコントロールすることができません。

情熱とコミットメントが消えてしまいました。残りは「親密性」だけです。では、親密性を測定する五つの文章をもう一度見てみます。

4 〇〇さんとの関係は居心地の良いものである。

9 私は必要なときには〇〇さんを頼ることができる。

12 〇〇さんとはうまくコミニケーションを取れている。

14 私と〇〇さんの関係は温かいものである。

15 〇〇さんは必要な時には私を頼ることができる。

齋藤勇(編著)(2006)『イラストレート 恋愛心理学:出会いから親密な関係へ』誠信書房

これも相手の感じ方ではあります。しかし、「情熱」と比べて、はるかに自分の行動で相手に影響を与えることができることに気づきます。

例えば、相手に「この人は非常に魅力的な人だ」と感じてもらうことは簡単なことではありません。しかし、相手との間に「居心地のいい雰囲気」を作る努力は誰でもできます。

相手に「つい自分のことを考えてもらう」ためには、具体的に何をすれば良いのかわかりません。しかし、「コミュニケーションを取る」努力や、何かあった時に相手が頼りやすい雰囲気を作る努力は誰にでもできます。

想像してみましょう。片思いに失敗したわたしが、自分の「情熱」に振り回されて突っ走る前に、もし、「親密性」を高める努力をしていたとしたら(図4)。

図4

親密性が倍になりました。そして、居心地の良い関係を作り、相手が頼りやすい雰囲気を作り、軽くコミュニケーションをし、温かい関係を意識する… 親密性を高める努力を更にしました(図5)。

図5

親密性が3倍になりました。だいぶマイルドな形になってきています。では、相手の三角形も見てみます。相手も親密性が3倍になったと仮定します(図6)。

図6

親密性が高くなった分、だいぶ面積が広くなりました。ここまでくれば、とりあえずの関係性は築かれています。そのため、多少押しても引かれるということはありません。

会って会って会いまくる、という作戦も有効になります。「吊り橋」や「ジェットコースター」のようなドキドキする場所に連れ出すこともできるかもしれません。会う回数を少しでも増やし、後は、相手の「情熱」が高くなるのを待つだけです。

片思い必勝法。

さて、今日は片思い必勝法を深掘りしてみました。片思いの必勝法は、「自分を知ること」「相手を知ること」そして、「親密性を高める努力をすること」です。その時役に立つのが、心理学者スタンバーグの提唱する「愛情の三角理論」です。

まずは、自分の相手に対する愛情の三角形を知り、相手の自分に対する愛情三角形を知ることです。そして、まずは自分が変わる努力をすることです。具体的に言うと、自分の愛情の三角形の形を「親密性」を高めることで変えていくことです。後は待つ。そうすれば、自然と相手の三角形の形も徐々に変わっていきます。

やれることをやり、後は待つ。ダメならダメで仕方ありません。相手の気持ちをコントロールすることはできません。そして、自分の気持ちもコントロールすることもできません。ダメならそのまま「片思い」の自分でいればいいだけです。

もちろん、相手に負担をかけてはいけません。どうしてもうまくいかない時は、何もせず、ただ好きでいればいいだけです。

片思いで失敗した2週間前の自分へ送るつもりでこの記事を書きました。ほんの少しだけでも熱い片思いをされている方たちのお役に立てれば幸いです。

合コンには人生を豊かにする力があります。合コンで、皆さまの人生が更に豊かになることを願っています。

【引用・参考文献】

金政祐司・大坊郁夫(2003)愛情の三角理論における 3つ の要素と親密な異性関係12.感情心理学研究,Vol.10,No.1,11-24.

齋藤勇(編著)(2006)『イラストレート 恋愛心理学:出会いから親密な関係へ』誠信書房


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