合コンと恋愛心理学。その6。片思い必勝法。

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今日は、齋藤勇(編著)『イラストレート 恋愛心理学:出会いから親密な関係へ』を参考に、「片思いの時」について書いてみます。愛情の三角理論によれば、相手との「親密性」を高めることが片思いの必勝法です。

片思い。

合コンで一目惚れした。合コン後、何度か会ううちに好きになった。ずっと友達だったのに、いつの間にか好きになった。合コンであるかどうかは別として、私たちは人を好きになることを経験します。

自分が想っているように相手も自分のことを想ってくれていたら、自分が好きなのと同じくらい、相手も自分のことを好きでいてくれたら、こんなに幸せなことはありません。そのような時もあります。

しかし、残念ながら自分が想っているほどに相手は自分のことを想っていてくれない時。相手は自分に全く興味が無い時。相手には別の好きな人がいる時。があります。片思いです。

相手の気持ちをこちら側に向かわせるために色々と作戦を練ったり、片思いだからこその楽しさもあります。また、片思いゆえの辛さもあります。こちらの想いだけが一方的に高まってしまえば、やはり空回りしてしまいます。

片思いがうまくいく時。

ではここで一度、恋愛の始まる時を考えてみましょう。「お互いに惹かれ合って同時にお互いを好きになる!」ことももちろんあります。初めから両思いです。しかし、多くの場合は、どちらかの片思いからスタートしていきます。

むしろ、両思いだからうまくいったのではなく、「片思い」をうまく成就させた人たちのことを「両思い」と呼んでいるだけかもしれません。

言うまでもなく、自分の想いと相手の想いの温度差が大きいのが「片思い」です。そして、自分の想いと相手の想いの温度差が少ないのが「両思い」です。「片思い」を成就させるためには、相手の温度を上げていく必要があります。温度差が少なくなるまで待つ必要があります。

ただ、温度を上げるとか温度差をなくすと言っても、何をすればいいのかがわかりません。そんな時に役に立つ理論が、心理学者スタンバーグの提唱する「愛情の三角理論」です。結論から言えば、片思いの時に大切なことは、自分の三角形の形を知ることです。そして、「親密性」を意識し、三角形の形を同じ形にしていくことです。

愛情の三角理論。

心理学者のスタンバーグによれば、愛情は、親密性、情熱、コミットメントという3つの要素から成り立ちます。そして、この親密性、情熱、コミットメントを頂点とした三角形を作り、この三角形で愛情を説明する考え方が「愛情の三角理論」になります。

親密性とは、親しさや結合、相手と繋がっているといった感情を愛情関係の中で経験することなどを含むもの(金政・大坊,2003)です。情熱とは、ロマンスや身体的魅力、性的な達成を引き起こすような動因を内包するのもの(金政・大坊,2003)です。コミットメントとは、短い関係においては愛するという決定を、長期の関係においては愛を維持するような言質や約束などを含むもの(金政・大坊,2003)であるとされています。

ざっくりと言えば、親密性とはお互いの親しみの深さのことです。情熱とは、お互いどれくらい夢中になっているかという興奮の強さ(性的欲求を含む)のことです。コミットメントとは、どれくらい離れない関係かという関連の強さのことです。

「愛情の三角理論」では、この親密性、情熱、コミットメントという三つの要素が影響を与えながら、三角形の面積と形が決まります。そして、三角形の面積と形で様々な愛情を説明することができます。

例えば、親密性、情熱、コミットメントのバランスが取れている場合を考えてみましょう。重心から三角形の頂点へ5センチずつ線を引きます。三角形は正三角形となり、理想的な愛情の形になります。あとは面積を少しずつ広げていく努力をすれば間違いなくうまくいきます。

親密性は高いけれど、情熱とコミットメントはその半分だとどうなるでしょうか。三角形の形は親密性を上の頂点として、右の頂点がコミットメント、左の頂点が情熱です。重心から親密性に向かって5センチ、重心から情熱とコミットメントにそれぞれ2.5センチずつ線を引きます。すると、二等辺三角形になります。友達関係が、このような三角形で説明できます。 

では、片思いはどのような三角形になるでしょうか。わかりやすくするため一目惚れで考えてみます。三角形の形は親密性を上の頂点として、右の頂点がコミットメント、左の頂点が情熱です。重心から親密性とコミットメントに向かって1センチ、重心から情熱に5センチ線を引きます。

このように一目惚れのような片思いの場合、情熱だけが高くなります。あくまで片思いなのでコミットメントと親密性は高くなりません。すると、情熱の頂点だけが尖る、小さな三角形が出来上がります。これが、一目惚れを表す三角形です。

スタンバーグは、この「愛情の三角理論」を用いて、愛情を8つに分類しています。詳しく見てみましょう。

①否愛。親密性、情熱、コミットメントの全てが存在しない表面的な人間関係。

②好意。親密性が高い。友人関係。

③のぼせあがり。一目惚れのような愛。親密性とコミットメントが欠乏。

④空虚な愛。長期的な関係の最終段階。コミットメントのみが存在し親密性や情熱がない。

⑤恋愛。親密性と情熱の結合により、身体的魅力と情緒的結びつき。

⑥友愛。長期的な夫婦や友人関係のように、親密性とコミットメントによって引き起こされる。

⑦束の間の愛。安定性がなく、情熱とコミットメントによって引き起こされる。

⑧完全なる愛。親密性、情熱、コミットメントの結合の結果からなる愛。

齋藤勇(編著)(2006)『イラストレート 恋愛心理学:出会いから親密な関係へ』誠信書房,p.52を要約

愛情の三角理論、一目惚れ編。

さて、ここまで心理学者スタンバーグの「愛情の三角理論」を見てきました。この理論の良いところは、自分の位置(形と言ってもいいかもしれません)を冷静に知ることができるところです。

少し極端ですが、一目惚れした時を考えてみましょう。そして、その後、うまくいったとしてみます。二人の状況を「愛情の三角理論」で考えてみます。

まず、こちら側(以後A)の一方的な一目惚れから恋が始まります。Aの三角形は、先ほど書いた「③のぼせあがり」状態です。この時点で、親密性とコミットメントは完全に欠乏しています。

では相手側(以後Bとします)の三角形を見てみます。そもそもAに興味はありません。つまり、親密性、情熱、コミットメントの全てが存在しない表面的な人間関係である、「①否愛」の状態です。

数ヶ月後、AとBはお付き合いするとこになりました。二人の三角形を見てみましょう。二人共親密性と情熱の結合により、情緒的結びつきが生じています。先ほど説明した「⑤恋愛」の状態です。

Aで見てみると、「情熱」だけが突出していた三角形から、「情熱」と「親密性」の二つが突出した三角形に変わっていったことがわかります。

Bで見てみると、親密性、情熱、コミットメントの全てが存在しない状態から、「親密性」と「情熱」が突出した三角形が誕生したことになります。

二人の三角形が似ている。大事なのはここです。二人の三角形の形が近くなったからこそ、二人は付き合うことができた訳です。言い換えると、Aは自分の三角形の形を変えることに成功しました。そして、Bの三角形が自分と似た形になるまで待てたとも言えます。

もし、Aが情熱のみ突出した「③のぼせあがり」状態のままアタックし続けていたら、Bは引いてしまっていたかもしれません。しかし、Aは自分の三角形の形を冷静に理解していました。そして、Bには愛情の三角形の「さの字」もまだ生じていないこともわかっていました。

だからこそ、AはBとの間で「親密性」を育てることに専念しました。負担をかけない連絡、単純接触、断りやすい軽い誘い… 少しずつBとの間に「親密性」を築き上げていきました。そして、Bの中に「親密性」という三角形の頂点が生まれてくるのを待っていた訳です。

スタンバーグの「愛情の三角理論」を用いると、一目惚れが成就するまでは、このような流れになります。この流れを作ることさえできれば、片思いが成就する可能性は高くなります。

情熱に親密性をプラスする。

さて、今日は「愛情の三角理論」を用いて「片思い」について書いてみました。片思いをしている時に大切なことは、自分の三角形の形を一度冷静に知ることです。そして、相手の持つ三角形とのギャップの存在を理解することです。

自分と相手の三角形や面積がかけ離れている時、押せば押すほど相手は引いてしまいます。一度立ち止まり、相手の三角形の形を変える努力をし、変わるのを待つことです。

齋藤(2006)が「恋愛関係でうまく振る舞うためには、相手との”親密性”を高める必要があることを示している」と述べているように、大事なのは「親密性」です。「情熱」に「親密性」をプラスすることができれば、その熱い想いは必ず相手に響きます。「親密性」が高ければ相手も引きません。

私事ではありますが、最近、片思いで失敗しました。「愛情の三角理論」で言えば、「情熱」だけが突出し、相手の今の三角形を全然考えられていませんでした。そして、今思えば「親密性」を高める努力が足らなかった。

2週間前の自分へ送るつもりでこの記事を書きました。ほんの少しだけでも熱い片思いをされている方たちのお役に立てれば幸いです。

合コンには人生を豊かにする力があります。合コンで、皆さまの人生が更に豊かになることを願っています。

【引用・参考文献】

金政祐司・大坊郁夫(2003)愛情の三角理論における 3つ の要素と親密な異性関係12.感情心理学研究,Vol.10,No.1,11-24.

齋藤勇(編著)(2006)『イラストレート 恋愛心理学:出会いから親密な関係へ』誠信書房


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これまでに4000件以上の合コンをセッティングし、4000件以上の合コンを見てきました。
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