合コンと恋愛心理学。その8。排他性規範①。

その他

今日は、齋藤勇(編著)『イラストレート 恋愛心理学:出会いから親密な関係へ』を参考に、恋愛関係の排他性規範について書いてみます。青いサングラスをかけていれば、世界は青く見えます。赤いサングラスをかけていれば、世界は赤く見えます。

フタマタ男。

想像してみてください。ここに一人の男性がいます。彼には2人の彼女がいます。そして、彼は2人の彼女をどちらも大切にし、どちらも愛しています。一方の彼女と会えば、全力でその彼女のことを想い、楽しませ、彼女を大切にします。もう一方の彼女と会えば、その彼女のことで頭がいっぱいです。

俗に言う「フタマタ」状態です。さて、あなたはこの男性に対して、どのように感じたでしょうか。

「けしからん!」という声が聞こえてきそうです。現在の日本で考えてみれば、多くの人は「けしからん」となるのかもしれません。実際、芸能人の不倫のニュースはほとんどが炎上しています。「フタマタ男」も完全な悪者です。もちろん、不倫を肯定している訳でも、「フタマタ」を勧めているわけでもありません。

でも、一度考えてみましょう。そもそもなぜ恋愛は一対一でなければならないのでしょうか。そもそも、なぜ「フタマタ」は悪いのでしょうか。それは、この背後に恋愛関係の排他性規範(齋藤,2006)が存在しているからです。

恋愛とは1対1である「べき」。

恋愛関係の排他性規範、難しい言葉ですよね。排他的とは、他のものを排斥する傾向のことです。そして、規範は〇〇であるべき、という「べき論」のことです。

つまり、「恋愛とは、パートナーと排他的な関係を結ぶべきである」という考え方が、恋愛関係の排他性規範になります。すると、「恋愛は一対一で」とか、「フタマタは悪い」という信念が生まれます。

この排他性規範という信念がわたし達の中にあるからこそ、周りに「フタマタ」をしている人が少ないんです(沢山いたらスミマセン!)。2~3人と同時に付き合っている人と出会うと、わたし達は「えっ!!」と感じる訳です。

では、もう一度考えてみましょう。そもそもなぜ恋愛は排他的でなければならないのでしょうか。

もし、自分がナイジェリアやセネガルなど一夫多妻制の国に住んでいたとしたらどうでしょうか。そこで「フタマタ」している人に出会った時、どのようには感じるでしょうか。恐らく「普通っしょ」と感じます。

もしくは、およそ1000年前の日本人だったら「フタマタ」に対してどう感じるのでしょうか。ただ、約1000年前の恋愛観はなかなか想像もできないですよね。ちなみに、約1000年前に書かれた有名な作品が「源氏物語」です。ご存知の通り、「源氏物語」で描かれている恋愛は一対一ではありません。

そして、妻以外の女性が「側室」として存在していたのは、日本ではごく当たり前の慣習です。100年ちょっと前の明治時代。明治天皇には5人の側室がいました。

輸入された価値観。

このように、人が人と付き合う形というのは、本来他種多様です。しかし、現在の日本に生きるわたし達は恋愛を排他的なものとして生きています。なぜでしょうか。それは、キリスト教社会の道徳が輸入されたからです。

そもそも、キリスト教の婚前交渉の禁止と離婚の禁止という道徳があり、それゆえに男女関係が一対一に限定されました。わかりやすくいうと、「性関係は生涯一人だけを相手とせよ」(齋藤,2006)ということです。この道徳が日本に輸入された訳です。

しかし、言うまでもなくこの道徳は日本でも欧米でも守られていません。「性関係は生涯一人だけにするぞ!」という人は、周りにほとんどいないと思います。そして、離婚が承認されたことにより、排他性規範は「生涯一人だけ」から、「相当長期間にわたって一人だけ」(齋藤,2006)へと変化しました。

では、「相当長期間」とはどの程度か、人によりますよね。見方によれば、1年も長期間だし、3ヶ月だって長期間です。すると、「相当長期間」はいつしか、「一時点で一人だけ」(齋藤,2006)という形へと変化します。

婚前交渉も離婚も禁止だからこそ、「性関係は生涯一人だけを相手とせよ」(齋藤,2006)という排他性規範が存在していたんです。

しかし、現在の日本でも欧米でも婚前交渉も離婚も禁止という道徳は守られなくなっています。それなのに、排他性規範だけは「一時点で一人だけ」(齋藤,2006)という形で存在しています。

齋藤(2006)は、この「一時点で一人だけ」という排他性規範が望ましい社会をもたらすのかどうかが問題だと述べています。つまり、大元の道徳が崩壊してしまっている状況で、排他性規範にどれだけの意味があるのか、一人一人が一度考えてみる必要があるということです。

排他性規範という色眼鏡の存在を知る。

わたしは、ラーメンも好きだし焼肉もお寿司も好きです。一度に複数の人を好きになったこともあります。言うまでもなく人間は多面的です。それぞれの人が色々な面を持っています。そう考えれば、一度に複数の人を好きになることは、誰にでも起こり得る自然なこと… なのではないでしょうか。

排他性規範の元では、一度に真剣に2人と付き合う「フタマタ」は悪以外の何者でもありません。しかし、「一時点で一人」でありさえすれば、3日で恋人を変え、一週間で2人と付き合うことは悪ではありません。「真剣に付き合っている」のは、いつでも一人だけだからです。

5人の女性と一年付き合っている男性がいれば、「えっ!!」と感じる。一年間で5人彼女が変わっても「えっ!」と感じない。それは、背後に恋愛関係の排他性規範が存在しているからです。

「フタマタ」を勧めている訳でも、「一時点で一人」が良くないと言っている訳でもありません。大切なことは、知らず知らずのうちに、「排他性規範」という色の眼鏡が自分にかかっているのではないか、ということを知ることです。

合コンには人生を豊かにする力があります。合コンで、皆さまの人生が更に豊かになることを願っています。

【引用・参考文献】

齋藤勇(編著)(2006)『イラストレート 恋愛心理学:出会いから親密な関係へ』誠信書房

渋谷昌三(2012)『人には聞けない 恋愛心理学入門』かんき出版

渋谷昌三(2014)『思いのままに人を動かす 心理学入門』かんき出版




プロフィール
この記事を書いた人
majima.minoru

これまでに4000件以上の合コンをセッティングし、4000件以上の合コンを見てきました。
合コンと本とスペアリブが好きです。当サイトを運営しています。

majima.minoruをフォローする。
その他
この記事をシェアする。
majima.minoruをフォローする。
間島稔の合コン図書館

コメント

タイトルとURLをコピーしました