合コンと恋愛心理学。その8。排他性規範②。

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今日は、齋藤勇(編著)『イラストレート 恋愛心理学:出会いから親密な関係へ』を参考に、恋愛関係の排他性規範について書いてみます。恋愛は「相手」の問題ではなく、「自分」の問題です。

恋愛は一対一であるべき?。

前回書いた 『合コンと恋愛心理学。その8。排他性規範①。』では、恋愛関係の排他性規範について書いてみました。

恋愛関係の排他性規範とは、ざっくり言うと、「恋愛とは、パートナーと排他的な関係を結ぶべきである」という考え方のことです。「恋愛は一対一であるべき」とか、「フタマタはするべきでない」という信念のことを言います。

そして、キリスト教社会の「婚前交渉の禁止」と「離婚の禁止」という道徳が崩壊している現在では、恋愛関係の排他性規範も「生涯一人だけ」(齋藤,2006)から、「一時点で一人だけ」(齋藤,2006)という規範へと変化しています。

見渡してみても、多くの人に「一時点で一人だけ」という規範が共有されていることがわかるはずです。もちろん、わたしも例外ではありません。

そして、この規範は言い換えると、「別れることは問題とはしない」(齋藤,2006)という規範に通じます。たしかに「別れられない」のは現実問題として厳し過ぎるし、好ましくありません。

このように、「パートナーと排他的な関係を結ぶべきである」のだけれど、「別れても良い」、そのため「一時点で一人だけ」(齋藤,2006)であるべきだ。という状況が生まれている訳です。

「理想の人」はいない。

齋藤(2006)は、現在でも排他性規範が広く信奉されているのは、背景にロマンティック・ラブ・ファラシー(romantic love fallacy)という幻想が存在しているからだと述べています。

ロマンティック・ラブ・ファラシーとは、「この世に自分に最適な相手がただ一人存在するという幻想」(齋藤,2006)のことを言います。

自分の理想通りの人、確かに出会いたいですよね。結論から言うと、このロマンティック・ラブ・ファラシーが成立することはありません。「自分の理想の人」に出会えることは無いということです。

なぜか。齋藤(2006)によれば、このロマンティック・ラブ・ファラシーが成立するためには、不可欠な条件があります。それは、「理想とする相手が自己のなかで完全に確定していなければならない」ということです。

皆さんも一度、「理想とする相手を自分(自己)の中で完全に確定する」ことをしてみてください。年齢、職業、容姿、服装、性格、ノリ、笑いのツボ、食の好み… 。

そうなんです。「理想とする相手を自分(自己)の中で完全に確定する」ことは、そもそも出来ないんです。するとどうなるか。見た目が〇〇で、性格が〇〇で、年収がいくら以上で… というように、「より理想に近い相手を探索する」(齋藤,2006)ようになります。しかし、この態度でもうまくいきません。なぜなら、

親密になるにしたがって「理想に近い」と思った相手の「理想からの遠さ」が見えてしまい、「より望ましい相手」の探索に出かけることが常態化するの必然である。

齋藤勇(編著)(2006)『イラストレート 恋愛心理学:出会いから親密な関係へ』誠信書房,p.106

からです。このように、「理想の相手」を確定することができない以上、「理想に近い相手」を探すようになります。しかし、「理想に近い相手」と親密になればなるほど、「理想に近くない一面」を多く見ることになります。

そこに、「一時点で一人だけ」であれば「別れても良い」という規範が存在しています。その結果、「この人が自分に最適なただ一人の人だ!」と感じて始まる恋愛でも、「より理想に近い相手」を求めるようになっていきます。

齋藤(2006)が指摘しているように、注意しなくてはならないのは、当事者は意図していなくても、必然的にこのような経過を辿ってしまうということです。理想を求めれば求めるほど、理想からの距離が際立ってしまう… ロマンティック・ラブ・ファラシーは成立しないんです。

恋愛は対象ではなく自己の問題。

では、どうすればいいのでしょうか。齋藤(2006)は、非常に重要なこととして、心理学者エーリッヒ・フロムの言葉を紹介しています。それは、「恋愛とは対象の問題ではなく、自己の問題である」ということです。

恋愛を相手の問題として捉えるのではなく、自分の問題として捉える必要があるということです。言うまでもなく、恋愛を相手の問題として捉えると、ロマンティック・ラブ・ファラシーのように、どこまでも「理想に近い相手」を求めることになります。

そして、先ほど書いたように、それはいつまでたってもうまくいきません。うまくいかないというのは、表面上の話ではなく、いつまでたっても本当の意味で幸せになれないということです。

理想に近い相手が見つかったから恋愛をするのではありません。相手が自分を見ていてくれるから恋愛するのでもありません。交際相手がいないから付き合うのでもありません。

大切なことは、自分という自己が、誰とどのような関係を築いていきたいのか、ということです。恋愛は「相手」の問題ではなく、「自分」の問題です。

合コンには人生を豊かにする力があります。合コンで、皆さまの人生が更に豊かになることを願っています。

【引用・参考文献】

齋藤勇(編著)(2006)『イラストレート 恋愛心理学:出会いから親密な関係へ』誠信書房

渋谷昌三(2012)『人には聞けない 恋愛心理学入門』かんき出版

渋谷昌三(2014)『思いのままに人を動かす 心理学入門』かんき出版




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