合コンでうまくいく二人。合コンでうまくいかない二人。

心理学

今日は、渋谷昌三『人には聞けない 恋愛心理学入門』、河合隼雄『流動する家族関係:河合隼雄著作集 第14巻』を参考に、「うまくいく二人。うまくいかない二人。」について書いてみます。大切なのは類似性と相補性のバランスです。

相性の良い人。相性の悪い人。

長男長女というように、「長子同士は相性が良い」とよく言われます。そして、「長子と末っ子は相性が悪い」とも言われます。TBSの『この差って何ですか?』という番組では、離婚経験のある男女1000人に聞き取り調査をしています。

その調査によれば、離婚経験のある1000人の中で、生まれ順が違ったのは823人です。そして、離婚の最も多かった組み合わせは、「長子と末っ子」です。

では、なぜ長子同士よりも、「長子と末っ子」の組み合わせの方が離婚率が高くなるのでしょうか。なぜ、「長子と末っ子」は相性が悪くなるのでしょうか。

心理カウンセラーである五百田達成さんによれば、生まれ順は性格や考え方に大きな影響を及ぼします。つまり、長子同士や末っ子同士は育つ環境の影響を受けて「似た者同士」へと育ちやすくなります。

そのため相性が良くなります。結果として「長子同士」や「末っ子同士」の二人の関係は、うまくいきやすくなるということです。

だとすれば、「生まれ順が同じ人」を探せばうまくいくのでしょうか。長男の人は長女の人と結婚すれば幸せになれるのでしょうか。

きっとそうではないですよね。ここが恋愛や結婚、人間関係の面白いところです。

「似た者同士」だと、離婚率は低いかもしれません。しかし、「離婚率低い=幸せ」ではありません。長子同士の相性が良いのは「共通部分」が多くあるからです。

共通部分は多くあっても、対立部分が少ないときは、その関係は魅力を失い、冷たいものとなってしまう。

河合隼雄(1994)『流動する家族関係:河合隼雄著作集 第14巻』岩波書店,p.44

離婚していなくても、二人の関係が冷たいものになっていたとしたら、一緒にいる意味はありません。魅力を失った関係にしがみついていても、それは時間の無駄です。うまくいく二人、うまくいかない二人について書いてみます。

結婚する確率が高くなる時。

では、世の中の人は、どのような人を結婚相手に選んでいるのでしょうか。『人には聞けない 恋愛心理学入門』(渋谷昌三,かんき出版)の178ページでは、結婚相手に関するある研究が紹介されています。

その研究は、結婚紹介所で相手を紹介された人たちの中で、どのようなカップルが結婚し、どのようなカップルが結婚しなかったのかを明らかにしました。結果は、類似点のあるカップルの方が結婚にいたる可能性が高い、というものでした。

趣味、性格、考え方、体格が似ている者同士の方が、結婚する可能性が高いということです。真面目な人は真面目な人と結婚する確率が高くなり、適当な人は適当な人と結婚する確率が高くなります。

これが、「類似性の法則」です。人は、類似性の高いほうが親しくなりやすい(渋谷,2012)のです。自分自身を振り返ってみても、周りの友達を見渡してみても、仲の良い友達や、仲の良いメンバーは「似た者同士」であることが多いですよね。

このように、「似た者同士」は結婚する確率が高くなります。なおかつ、長子同士のように「似た者同士」は離婚率も低くなります。

だとすれば、合コンで素敵なパートナーを見つけたい時、何よりも「類似性の法則」を重視するのが一番なのでしょうか。考え方や感じ方の似ているところの沢山ある人、趣味や性格が似ている人、を選ぶべきなのでしょうか。

鍵と鍵穴。

今度は「相補性」について考えてみます。相補性とは、ざっくり説明すれば鍵と鍵穴です。さきほどの、「類似性」は「似た者同士」なので、鍵と鍵、鍵穴と鍵穴です。

鍵と鍵穴。そうです。「相補性」では、二人が違うからこそ、ピッタリと合います。違う者同士が相補うことで、一つになることができます。

「夫婦には何らかの意味で相補性の原理がはたらいているように思われる」(河合,1994)というように、お互いの「違う部分」や「合わない部分」が実はとても重要な役割を果たしていることがあります。

子供にもっと勉強させようとする母親と、もう少し遊ばせるべきだと言う父親。これは対立があるようだが、対立しているからこそ適切なバランスが保たれているのである。

河合隼雄(1994)『流動する家族関係:河合隼雄著作集 第14巻』岩波書店,p.43

想像してみて下さい。合コンで、結婚観について話しています。ある人は、「あり金は全部使っちゃいたい!」と言い、ある人は「しっかり貯金したい!」と言います。この二人に「類似性」はありません。しかし、対立しているからこそ、丁度いいバランスが取れているとも言える訳です。

ただ、河合(1994)によれば、対立が相補的に働かず強い敵対関係になってしまうと、二人の関係は破壊に至ると言います。そして、この破壊を防ぐために必要になるのが、二人の「類似性」です。

夫婦はその共通部分を関係の維持のために必要とし、対立する部分をその発展のために必要としているのである。対立部分のみが拡大され、それを支える共通部分が弱いと破局が来るし、共通部分は多くあっても、対立部分が少ないときは、その関係は魅力を失い、冷たいものとなってしまう。

河合隼雄(1994)『流動する家族関係:河合隼雄著作集 第14巻』岩波書店,p.44

似ているだけでもダメです。対立だけでも関係は保てません。似ているところと、対立するところのバランスが二人の関係にはとても重要になる訳です。

さきほどの例で言えば、長子同士の離婚率は確かに低くなっています。「類似性の高い二人」は結婚する確率が高くなります。しかし、二人の関係が魅力を失ってしまい、ただ一緒にいるだけでは意味がありません。「似ているところ」と同じだけ、「似ていないところ」や「対立すること」も大切になります。

夫婦とは川の中の二本の杭。

最後に、相補性について分かりやすい説明を引用します。今、どうにもうまくいかなくて悩んでいる時、あまりにも合わな過ぎて困っている時、それは「大きな収穫」を得ることのできるチャンスなのかもしれません。

夫婦というものは、川の中の二本の杭であり、夫婦の関係はその間に網を張るようなものである。近くの杭を選んだ人は網を張りやすいが、魚の収穫は少ない。遠くの杭を選んだ人は、網を張るのに苦労するが、張ってしまうと魚の収穫は多い。あなた方は欲張って随分遠くの杭を選び、間に網を張るのを放棄しようとしておられるけれど、将来の収穫の多いのを期待して、もう一度努力してみませんか、

河合隼雄(1994)『流動する家族関係:河合隼雄著作集 第14巻』岩波書店,p.45

最初に戻ってみると、長子と末っ子の離婚率は高いそうです。それは、類似性が低く、「合わない」からです。しかし、もう一度考えてみましょう。

河合(1994)が言うように、もしかすると遠くの杭を選んだだけなのかもしれません。そして、網を張ることを諦めてしまっただけなのかもしれません。もし、諦めずに網を張ることが出来たなら、大きな収穫を得ることができるはずです。

また、長子同士の離婚率が低いのは、ただ、網を張るのが簡単なだけなのかもしれません。網は簡単に張ることはできますが、簡単に張ることのできる網の収穫は少なくなってしまいます。

どちらが良くて、どちらが悪いということではありません。そして、離婚率が低いことが良い訳でもないし、結婚率が高いことが良い訳でもありません。大切なのは、それぞれが自分の人生をどう生きるのか、ということです。

今日は、「うまくいく二人。うまくいかない二人。」について書いてみました。大切なのは類似性と相補性のバランスです。あなたは、誰と、どのような「網」を川に張りたくなったでしょうか。

合コンには人生を豊かにする力があります。合コンで、皆さまの人生が更に豊かになることを願っています。

【引用・参考文献】

河合隼雄(1994)『流動する家族関係:河合隼雄著作集 第14巻』岩波書店

渋谷昌三(2012)『人には聞けない 恋愛心理学入門』かんき出版



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これまでに4000件以上の合コンをセッティングし、4000件以上の合コンを見てきました。
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