「合コンの教科書」と言える本。

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「探す合コン」から「学び合う合コン」へと変化することの意味について書いてみました。参考文献は、『学び合う場のつくり方:本当の学びへのファシリテーション』(中野民夫,岩波書店)です。

▼本文はここからです。

興奮度★★★★

ワクワクする学び。

思い出してみてください。小学校の授業や中学校、高校の授業の中で、今でも心に残っている授業はどのくらいあるでしょうか。合計12年間です。あなたは、12年間の中で何回「学ぶこと」にワクワクしたでしょうか。

もちろん、ワクワクするとかワクワクしないとか、楽しいとか楽しくないとか言う前に、覚えなくてはならないことは沢山あります。読み書き、足し算や引き算に掛け算に割り算、歴史… ここはとにかく詰め込みです。しかし、12年間あります。

ちなみに僕は、12年間の中で「学ぶこと」にワクワクした記憶はありません。部活やイベント、体育や美術は楽しかったけれど、「学ぶこと」にワクワクした経験は、今のところ思い出せません。もちろん、自分自身の「姿勢」や年齢も大きく影響しているはずです。「学校」が面白くなかったのではなく、「自分」が面白くなかっただけなのかもしれません。

小学校や中学校の授業や先生達に文句を言いたい訳ではありません。しかし、もう少し違った形の「学び」も経験することができていれば…「学ぶこと」の楽しさに、もう少し早く気づくことができたのかもしれません。

『学び合う場のつくり方:本当の学びへのファシリテーション』(中野民夫,岩波書店)では、学ぶ側にとって能動的な学びとなる「アクティブ・ラーニング」が紹介されています。「教える」から「学び合う」へと変化するということです。

「探す合コン」から「学び合う合コン」へ。

私たちが生きている社会は成熟社会です。元リクルートで義務教育初の民間校長を務めた藤原和博さんによれば、成熟社会のキーワードは「多様化」「複雑化」「変化」の三つです。全員一緒に幸せを目指せた時代は終わりました。一人一人が各々の「幸せ」を目指さなくてはならない時代です。

そして、時代に合わせて「教える」から「学び合う」へと、少しずつ「教育」も変わろうとしています。そうです。教育が変化するように、「合コン」も変わっていかなければなりません。

そこで、僕から一つの提案です。それは、「探す合コン」から「学び合う合コン」への変化です。これまでに、4000件以上の合コンをセッティングしてきて、4000件以上の合コンを見てきて感じることは、多くの人は「探している」ということです。

自分に合う人、カッコいい人、カワイイ人、性格がいい人、安定している人… 誰もが自分が「いいね!」と思える人を合コンで探しています。もちろん、これは当たり前のことです。そして、悪いことではありません。

しかし、なかなか「いいね!」と思える人と出会えないのも事実です。「普通でいい!」と思っても、「普通」とすらなかなか出会えなかったりします。
ビヨンド合コン。その5。3.13%。
に書いたように、むしろ、「なかなか出会えない」ことが「普通」と言えるのかもしれません。

今やらなくてどうする!

すると、どうなるか。「合コン面白くない!」「合コン効率悪い!」「合コン、時間とお金の無駄!」と、合コンをやめてしまいます。合コンが嫌いになってしまいます。

お気持ちは分かります。つまらないものはつまらないんですよね。そこは無理せずいきましょう。しかし、だからこそ伝えたい。合コンをやめてしまうのは、とてももったいないことです。

もう無茶苦茶もったいない。自分が「いいね!」と思える人と出会える可能性もあり、なおかつ、自分が成長できるチャンスも目の前に無限に広がっているのに… 「今やらなくてどうする!」と叫びたくなります。あっ、今は我慢ですね(2020年4月20日)。

自分が「いいね!」と思える人と出会えたら、嬉しいですよね。とてもhappyです。そして、日々自分も成長していくからこそ、「幸せ」に気づくこともできます。人生を豊かにする力を持っているのが合コンです。もう一度叫ばせてください。「今やらなくてどうする!」いや、今は我慢しましょう(2020年4月20日)。

もう少し深掘りしてみましょう。「探す合コン」の場合、探している人が見つからなかった時はどうなるでしょうか。「ハズレ」になりますよね。むしろ、合コンがスタートした時点で「ハズレ」なことに気づいてしまうかもしれません。すると、合コンの全てが無駄になります。

しかし、この合コンが「学び合う合コン」であればどうでしょうか。もちろん心の中で「ハズレだー」とは思います。しかし、今回は学ぶ姿勢があります。自分とは異なる意見、考え方、感じ方、モノの見方… に、学ぶ姿勢を通して触れることで、自分の世界が広がっていきます。

想像してみてください。「探す合コン」に100回参加する自分。「学び合う合コン」に100回参加する自分。100回の合コンを経験した二人のあなたは、いったい何を考え、何を感じ、どんな人を好きになっているのでしょうか。

「学び合う合コン」に必要な三つのこと。

改めて僕からの提案です。「探す合コン」から「学び合う合コン」へと変化していきましょう。では、『学び合う場のつくり方:本当の学びへのファシリテーション』(中野民夫,岩波書店)を参考に、「学び合う合コン」に必要な三つのことについて、書いていきたいと思います。

心得。

一つ目は、「心得」です。
『学び合う場のつくり方:本当の学びへのファシリテーション』(中野民夫,岩波書店)では、オリエンテーションの「OARR(オール)」という考え方が紹介されています。Aは、Agenda(大まかな流れ)なので合コンには必要ありません。大切なのは、「ORR」です。

O(Outcome)は、「結果、成果」です。合コンの2〜3時間で達成したい結果を、具体的にイメージすることが大切です。ただ漠然と、「今日は学ぶぞー」と思っても、何も学べずに終わります。

そうではなくて、「今日は相手の良いところを一つだけ見つけるぞ!」と具体的な目標を立てます。そして、合コン終了後に自分でチェックします。例えば、もし、良いところを見つけられなかったとしたら、「なんで、良いところを見つけられなかったのだろう」と考えることです。

R(Role)は、「役割」です。合コンでの役割とは、一体何でしょうか。ここはシンプルです。いつでも「主役は自分」ということです。合コンの主役は、友達でも合コン相手でも、幹事さんでもありません。いつでも「あなた」が主役です。

ただ話を聞いているだけの… ただニコニコしているだけの… 「お客さん」になってはいけません。空回りしてしまうくらいの積極的な姿勢が大切です。

R(Rule)は、「ルール」です。中野(2017)が、ワークショップのルールとしてあげているのは、①積極的に。②よく聴こう。③楽しもう。④でも、無理はしないで。の四つです。これは、合コンにそのまま当てはまります。

やはり、受け身の姿勢はいけません。待っていても何も始まりません。積極的な姿勢だけが、チャンスを呼び寄せます。そして、相手の話をよく聴くことも大切です。「聞く」ではなくて、「聴く」なのがミソですね。「聴く」とは、身体で心で「きく」ということです。話の内容だけでなく相手の「感情」まで「聴く」ことができたら満点です。

そして楽しむこと。これは言うまでもありません。どれだけ努力していても、どれだけ頑張っていても、「楽しんでいる人」には勝てません。「合コン」という名の偶然の出会いを全力で楽しみましょう。

でも、無理はしない。これは一番大切かもしれません。無理に参加する必要はないし、嫌になったら、しばらく離れればいいんです。自分の感情に嘘はつかないことです。「つまらねー」と思ったら、それはどうやっても「つまらない」んです。無理に楽しくする必要はありません。

「何も本当には知らない」ことを知る。

二つ目は、「何も本当には知らない」(中野,2017)ことを知ることです。
例えば、多くの合コンに参加すると、「あーこの人こんな感じかー」とか、「この人は〇〇だなー」というように、何となく「わかる」ようになります。

それは、他人に対してだけでなく、自分に対しても同じです。「わたしは〇〇なんだよねー」とか、「俺は〇〇じゃないと合わないんだよねー」という感じです。それまでに学んできた結果として、色々なことを経験してきた結果として、「わかる」ようになります。

しかし、もう一度考えてみましょう。本当にわかっているのでしょうか。

世界をそれなりにわかったつもりになっているが、いったい何をどこまでわかっているだろうか。小さな自我の窓から広い世界を覗き見て、「あーだ、こーだ」と勝手に裁いているにすぎない。隣の他者は、実は全く違う風に世界を見ているかもしれない。知れば知るほど、「何も本当には知らない」ことに気づく。

中野民夫(2017)『学び合う場のつくり方:本当の学びへのファシリテーション』岩波書店,p.126

このように、「何も本当には知らない」のが僕たちです。この「何も本当には知らない」ことを自分が理解していることが、合コンでは大切です。「何も本当には知らない」ということを理解しているからこそ、自分の意見を押し付けることもせず、相手を勝手に判断することもなく、「学び合う」ことができます。

中野(2017)が、「創造的な対話を妨げるのは、自分の「意見や想定に固執する」ことなのだ」と述べているように、先入観や思い込みは、ものごとを見る目を曇らせ、歪ませます。自分の目に、「赤い色眼鏡」がかかっていたら、世界は赤く見えます。自分の目に、「青い色眼鏡」がかかっていたら、世界は青く見えます。

もしかしたら、自分は「色眼鏡」をかけて世界を見てしまっているのかもしれない。と、自分を一度疑ってみることです。「何も本当には知らない」という姿勢で合コンに臨むことができれば、自分とは異なる、見方、感じ方、考え方に触れることで、自分の世界を広げていくことができるはずです。

マインドフルネス。

三つ目は、「マインドフルネス」です。「マインドフルネス」とは、ざっくり言えば、「いま、ここ」に集中し、ありのままであることです。

今、今、今のこの一瞬に心を留めること。今ここで起こっていることを、はっきりと自覚すること。自分の身体で、感覚や感情で、思考や意識で、起こっていることをそのまま認識すること。勝手な判断や評価は加えず、ただありのままの姿をそのまま認めること。

中野民夫(2017)『学び合う場のつくり方:本当の学びへのファシリテーション』岩波書店,p.129

合コンで考えてみましょう。合コンのお会計がキッチリ割り勘で、「ケチだなー」と感じたとします。その時、「あっ、自分はこの人をケチな人と決めつけようとしているな!」とか、「あっ、もしかしたら、ケチではなくて、しっかりしているのかもしれない。自分の視点だけから見てしまったなー」というように、自分の「ありのまま」に自分自身が気づくことです。

「ケチな人だなー」と決めつけている「自分」に気づくことができれば、「ケチな人だ… いや待てよ。自分は今、この人をケチと決めつけようとしている。本当にそうなのか?」というように、自分の態度が変わります。そして、「もう少し話を聞いてみよう。別の視点からも見てみよう。」と、相手を理解しようとする姿勢に変わるはずです。

自分の態度が変われば、相手も変わります。想像してみてください。合コン相手が、自分のことを「もっと理解しよう」という姿勢で合コンに参加していたら、きっと、相手のことも理解したくなるはずです。

どこまでも「自分自身」であること。

さて、「学び合う合コン」に必要な三つのことについて、書いてみました。「心得」、「何も本当には知らない」ことを知ること、「マインドフルネス」この三つを意識して合コンに参加することで、「探す」だけでは決して得られない経験を積むことができます。その経験値は、きっと人生を豊かにしてくれます。

「教えよう」「変えよう」と頑張るよりも、自分が他でもない自分自身にただなりきること、そして一緒にそこにいる相手が相手自身になりきることを、ただ許し、楽しむこと、なのかもしれない。

中野民夫(2017)『学び合う場のつくり方:本当の学びへのファシリテーション』岩波書店,p.187

努力に努力を重ねて、「自分」でない誰かになる必要はありません。どこまでも「自分自身」であることが合コンでは、何よりも大切です。ただ、「自分自身」であることは、思っているほど簡単なことではありません。だからこそ、沢山の「学び合う合コン」を経験することに意味があります。

本には人生を豊かにする力があり、合コンにも人生を豊かにする力があります。この本と合コンで、皆さまの人生が更に豊かになることを願っています。

【引用・参考文献】
中野民夫(2017)『学び合う場のつくり方:本当の学びへのファシリテーション』岩波書店


藤原和博(2009)『35歳の教科書:今からはじめる戦略的人生計画』幻冬社メディアコンサルティング

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majima.minoru

これまでに4000件以上の合コンをセッティングし、4000件以上の合コンを見てきました。
合コンと本とスペアリブが好きです。当サイトを運営しています。

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