好きな人がいない(合コンで)時に聞きたい曲。

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「好き」はコントロールできません。自分の「好き」を探すこと、正直になること、従うこと、が大切です。合コンと「好き」について書いてみました。

興奮度★★★★★

西野カナ 『Darling』MV(Short Ver.)

「好き」はコントロールできない。

先日書いた、『合コンに「いい人」は来るのか。その3。』では、正解のなくなってしまった時代の合コンには、自分の進むべき方角を教えてくれる「心のコンパス」が必要ということを書きました。「心のコンパス」とは、自分の中にある「好き」です。

今回の記事では、西野カナさんの『Darling』という曲と共に、「好き」を深掘りしてみます。結論は、「好き」はコントロールできないということです。

好きな色、好きな音楽、好きな本、好きな詩、そして、好きな人… 。なぜ好きなのか、その理由を考えたことはあるでしょうか。「好き」な理由を答えられるでしょうか。

青が好き… パンクロックが好き… 小説が好き… 背が低い人が好き… 背が高い人が好き… 「好き」になっているのは他の誰でもない自分です。しかし、多くの場合、「なぜ好きなのか」という明確な理由は答えられないのではないでしょうか。冒頭で紹介したのは、西野カナさんの『Darling』という曲です。歌詞を引用してみます。

Ah なんで好きになっちゃったのかなぁ
Ah だって好きになっちゃったんだから
変わり者同士うまくやっていこうよ

(作詞:Kana Nishino)

自分でも、なぜその人を好きになったのかわかっていません。しかし、「好き」という感情は間違いなく自分の心の中から出てきています。そして、その「好き」に自分が従っています。

自分の中にある、自分ではわからない部分。

『NHK 100分 de 名著 河合隼雄スペシャル:こころの構造を探る』 (河合俊雄,NHK出版)の中で、ユング心理学における、意識と無意識、自我と自己、という概念が紹介されています。

まず、意識と無意識は誰もが知っていますよね。日常で、「無意識のうちにやってたー」というように使ったりもします。ざっくり言えば、意識が「自分の中にある、自分でわかる部分」で、無意識が「自分の中にある、自分ではわからない部分」です。

「7時に起きて、歯を磨いてご飯を食べて、9時に出勤して、仕事が終わったら、夜は大好きなラーメンを大好きなパートナーと食べに行こう!今年の目標は、早起きして毎朝30分ランニングをする!」これらは全て「自分でわかっている部分」です。つまり「意識」です。

一方の無意識は「自分の中にある、自分ではわからない部分」です。代表的なのが「夢」です。覚えているかどうかは別として、誰もが毎日「夢」をみます。ただ、誰一人として「夢」をコントロールできる人はいません。「今日は大好きなあの人とハワイ旅行に行く夢をみるぞー」という人は、周りにはいないはずです。

しかし、その「夢」は他の誰のものでもなく、世界中で「その人」しか体験することはできません。私たちは、他人の「夢」を見ることも、他人の「夢」を体験することもできないんです。

世界の中で、自分ただ一人しか体験できないのが「自分の夢」です。内容や展開、登場人物やロケーション… 作り出しているのは間違いなく自分です。けれど、どんな人が登場し、どんなストーリーになるのかは自分でもわかりません。「自分の中にある、自分ではわからない部分」これが無意識です。

ユング心理学の創始者である、カール・グスタフ・ユングは、「自分の中にある、自分でわかる部分」である意識の中心を「自我」と呼びました。そして、「自分の中にある、自分ではわからない部分」である無意識も含めた、心の全体の中心を「自己」と呼びました。

(画像引用)河合俊雄(2018)『NHK 100分 de 名著 河合隼雄スペシャル:こころの構造を探る』 NHK出版,p.31

「自分の中にある、自分ではわからない部分」である無意識… とても広いですよね。夢はその無意識からやってきます。だからこそ、登場人物も展開も自分ではコントロールできません。

自分の「好き」についても同じことが言えます。「好き」が無意識からやってきているから、「Ah なんで好きになっちゃったのかなぁ」(西野カナ,『Darling』)と西野カナさんは歌っている訳です。

もし、「好き」が意識からやってきていたとしたら、「料理がうまくて、給料が高い、だから好きになっちゃったんだなぁ」と理由が言えます。「なんで好きになっちゃったのかなぁ」(西野カナ,『Darling』)と、自分でも不思議に感じることはないはずです。

放牛図、合コン、好き。

もう少し深掘りしてみましょう。『NHK 100分 de 名著 河合隼雄スペシャル:こころの構造を探る』 (河合俊雄,NHK出版)の中で紹介されている、「放牛図」というのがあります。「放牛図とは、ごく単純化して説明すれば、一人の若者が牛を見つけ、手なずけてゆく様子に託して禅の修行の階梯を描いた十枚の連作画のこと」 (河合俊雄,2018,p.102)を言います。

ユング心理学的な見方では、「放牛図」の中で描かれている若者を「自我」、牛を「自己」として解釈しています。最初、若者(自我)は自分が何を探しているのか自分でもわかっていません。しかし、そこから自分が探しているのは牛(自己)であることに気づきます。そして牛(自己)を捕まえます。しかし、若者(自我)は捕まえたはずの牛(自己)の背中に乗り、牛(自己)のおもむくままに進んでいきます。自我である若者と、自己である牛とが一体となるという解釈になります。

自我や自己については、『合コンでの、「なんで好きになったかなー」を大切にするための本。』に詳しく書いてあります。お時間がありましたら覗いてみてください。

この「放牛図」を使い、合コンでの「好き」について考えてみたいと思います。ここから先は、「放牛図」の僕なりの解釈です。ユング心理学とは直接関係ないので、そこのところは予めご理解ください。

いい人いないかなー。

(画像引用)Wikipedia

さて、ある若者が合コンに参加しました。「今日の合コン、いい人と出会いたいなー」「ワクワクするなー」と合コン前のドキドキ感を満喫しています。「いい出会い」があればいいなと思っていますが、どんな人を探しているのか、若者は自分でも自分がよくわかっていません。漠然と「いい出会い」を探していた若者ですが、多くの合コンに参加してもなかなか「いい出会い」がありません。むしろ、何が「いい」のか自分でもよくわかっていません。

あれ… この感情はもしかして。

(画像引用)Wikipedia

そんな中、ある「足跡」を発見します。この「足跡」が、合コンでの「あれ… この感情はもしかして」です。色々な人と出会い、様々な性格の人と会話するという経験を通して、「あれ… この感情はもしかして」という「足跡」を見つけます。ちなみに、「足跡」は外にあるものではなく、自分の中(無意識)にあるものです。

見つけた!

(画像引用)Wikipedia

捕らえた!

(画像引用)Wikipedia

若者は自分の中に生まれた、「あれ… この感情はもしかして」という「足跡」を追いかけました。そして「好き」を見つけます。更に、「好き」を捕らえます。

自分は何が「好き」なのかわからなかった若者が、自分の求めているモノ、つまり自分の「好き」を見つけ、追いかけ、捕らえました。もちろん、この絵の「牛(好き)」は外にあるものではなく、自分の中(無意識)にあるものです。なので、「好きな人を捕まえる」という意味ではなく、自分の「好き」を自分が見つけ、自分の「好き」を自分が捕まえるというイメージです。

従えた!

(画像引用)Wikipedia

若者は、 自分の「好き」 がなんであるのかを自分でしっかり理解しています。そして、 自分の「好き」を従えることに成功します。 しかし、ここからが面白い。

乗っかっちゃった!

(画像引用)Wikipedia

気づいたら、「好き」に乗っかっちゃってます。自分が自分の「好き」を探して、見つけ、捕らえ、従えた… はずなのに、いつのまにか気づいたら「好き」に乗っかっちゃってます。まさに「好き」のおもむくままという感じです。

なんで好きになっちゃったか。

西野カナさんが、「Ah なんで好きになっちゃったのかなぁ Ah だって好きになっちゃったんだから」(西野カナ,『Darling』)と歌っているのは、まさにこの状態なのではないでしょうか。自分でもなぜ「好き」なのかわからない。けれど、その「好き」は間違いなく自分の中からやってきていて、自分もその「好き」のおもむくままに生きている。

誰もが自分にとっての「いい人」を探しています。それは、見た目であることもあるだろうし、相性であることもあるでしょう。そして、条件であることもあると思います。

しかし、忘れてはいけないのは、自分の「外側」のコトと、自分の「内側」のコトがあるということです。「いい人を探す」というのは自分の「外側」にあるコトです。今回の記事で深掘りした「好き」というのは自分の「内側」にあるコトです。「外」だけでも「内」だけでもうまくいきません。自分の「外」にある「いい人を探す」というコトと、自分の「内」にある「好きを探す」という二つのコトのバランスが重要です。

さて、この記事では、「好き」を深掘りしてみました。結論は変わりません。「好き」をコントロールすることはできません。だからこそ、自分の「好き」をしっかりと探すこと、自分の「好き」に正直になること、自分の「好き」のおもむくままに生きていくこと、が合コンでは大切です。

この「放牛図」には、あと4枚の絵があります。ユング心理学的な解釈は、『NHK 100分 de 名著 河合隼雄スペシャル:こころの構造を探る』 (河合俊雄,NHK出版)の102p〜103pに載っています。興味のある方は是非読んでみてください。

合コンでの「好き」でも解釈を試みたのですが… 展開が宇宙すぎて、今の僕にはまだ扱えないと判断しました。7〜10枚目の「放牛図」も載せてみますので、自由に解釈して楽しんでみてください。

「好き」無くなっちゃった!

(画像引用)Wikipedia

なんも無くなっちゃった!

(画像引用)Wikipedia

花咲いちゃった!

(画像引用)Wikipedia

オッサン来ちゃった!

(画像引用)Wikipedia

合コンには人生を豊かにする力があります。合コンで、皆さまの人生が更に豊かになることを願っています。

【引用・参考文献】
河合俊雄(2018)『NHK 100分 de 名著 河合隼雄スペシャル:こころの構造を探る』 NHK出版

西野カナ『Darling』

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