合コンで、思い通りの相手に出会えない時に読む本。

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興奮度★★★

この記事のポイント。

脳波を読み取り、全ての願いが叶う仮想現実を作ってくれる機械「HALPEVAM」が存在したら。願いが全て叶う世界。好きな人に囲まれ嫌なことは起こりません。困難も挫折もありません。もちろん、本人は仮想現実であることに死ぬまで気づきません。欠点は、一度仮想現実の世界で生きる選択をすると、二度と現実世界には戻れないこと。さて、仮想現実と現実世界、どちらで生きていきたいでしょうか。

元ギリシャ財務大臣のヤニス・バルファキス(2019)は、自分の望みを100%叶えてくれない世界と「衝突」し、葛藤を重ねることで人格が作られると述べています。

つまり、「衝突」が無くなった世界では人格の成長と発展も無くなってしまうのです。うまくいかない時、それは成長と発展のチャンスなのかもしれません。合コンが思い通りにいかない時に読みたい一冊です。

▼本文はここからです。

元ギリシャ財務大臣ヤニス・バルファキス。

2015年、ギリシャの経済危機時に財務大臣を務めたヤニス・バルファキス。彼が、難しい言葉を使わずに、分かりやすい言葉で娘に経済学を教えていく、という形で進んでいく本です。格差、市場、金融、労働力、仮想通貨などの章ごとに分けられているので、経済の知識が全く無くても、楽しく読める一冊です。

中でも僕のオススメは、225ページから書かれているエピローグである、『進む方向を見つける「思考実験」』のところです。「HALPEVAM」というコンピューターの存在を仮定して、どのように生きるか、というテーマについて考えさせられる内容になっています。

信頼できる召使い「HALPEVAM」。

この「HALPEVAM」というコンピューターは現実には存在しません。もし存在すれば、という仮定の話です。「HALPEVAM」は何をするコンピューターなのかというと、仮想現実を作り出すコンピューターになります。そして、人類にとっての脅威ではなく、完全に人類の味方です。

HALPEVAMは人間にとって信頼できる召使いであり、究極の喜びを与えてくれる機械だ。HALPEVAMは君の脳波を読み取り、君が何を好きか、嫌いか、何に悲しむかを100%正確に把握する。そして、君の基準で最高だと思う人生を仮想現実にしてくれる。その中に生きる君には、それが仮想現実であることはわからない。君は欲望も野心も感情も行いも変える必要はない。仮想現実が君の欲望に合わせてくれる。(ヤニス・バルファキス,2019,pp226-227)

もし存在したとしたら凄いコンピューターですよね。ただ、テクノロジーが急速に発展していけば、何十年後、何百年後かには現実に存在するようになるのかもしれません。さて、もしこの「HALPEVAM」が目の前にあったとしたら、皆さんならどうしますか。一つだけ注意点をあげると、この「HALPEVAM」の作り出す仮想現実の世界に一度入ってしまうと、二度と現実の世界に戻ってくることはできません。ただ、自分が仮想現実の世界にいる、ということは本人には死ぬまでも、死んでも分かりません。仮想現実が、自分の唯一の現実となるのです。

望み通りに生きることができる仮想現実の世界。

自分の願い通りの世界で、自分の好きなものや人だけに囲まれて、嫌なこともなく、自分の願望や欲望がことごとく満たされていく。壁にぶつかっても、挫折せずに乗り越えることができます。嫌なことから逃げ出してしまうことも絶対ありません。学校に行けば全て自分の思ったようにことが進む。仕事に行けば、願ったようにドンドン成功していく。合コンに行けば、理想通りの人に一発で出会えて、しかも相手は自分にベタ惚れ。付き合ってからも結婚してからも、全てが順調で、病気になんかなるわけがありません。毎日が幸せに溢れています(本当に自分は幸せと感じている)。もちろん、仮想現実ということに、自分は気づかず死んでいきます。ちなみに、その間、現実の自分の体はロボットが寿命がくるまで100%健康に維持してくれています。

さて、仮想現実で生きる道と、現実で生きる道、どちらを選択したくなるでしょうか。もし、現実で生きる道を選んだとしたら、この本でヤニス・バルファキスが述べているように、「欲望を満足させるのはすごく大事だけど、それがすべてではない」(ヤニス・バルファキス,2019,p229)という考え方を持っているのだと思います。

「HALPEVAM」の欠点。

では、「HALPEVAM」のどこに欠点があるのでしょうか。ヤニス・バルファキスによれば、「HALPEVAM」が与えられるのは、現時点での望みだけである。また、幸せは金鉱のように見つけられるものではない。そして、何者かになるプロセスにだけ、本物の幸福を味わえる可能性がある。と述べています。つまり、人間は変化していく生き物で、幸せの定義や望みも変化していく。そして、こうすれば幸せになれる、こうなったら幸せになれる、というような方法は存在しないということだと思います。

「衝突」が本物の幸せをつくる。

小学生の頃好きだった人と、高校生の頃好きだった人、10代の時の望みと、40代の時の望み。やはり変化していくものですよね。この変化が起こる原因は、「衝突」があるからだとヤニス・バルファキスは言います。そして、自分の望みを100%叶えてくれない世界と「衝突」し、葛藤を重ねることで、その人の人格が作り上げられていくとも述べています。

つまり、雨が降る日があるからこそ晴れの日が嬉しいように、不幸があるからこそ幸福の意味があり、自分の望み通りにいかない世界がそこにあるからこそ、自分の成長と発展があるのだと思います。そして、嬉しいことや楽しいことと同じくらい、葛藤や挫折、不幸を経験していく過程の中でこそ、本物の幸せを感じることができるのではないでしょうか。

こう考えると、合コンの良さに改めて気づきますよね。合コンでは、性格でも顔でも体型でも、どストライクの人と会う時もあれば、全くタイプでない人と出会うこともあります。どちらかといえば、思ったようにいかない確率の方が高いのかもしれません。

しかし、ヤニス・バルファキスが述べているように、「衝突」があるからこそ、そこに人格の成長と発展があり、人格の成長と発展があるからこそ、本物の幸せを感じることができるようになるのだと思います。自分の望み通りにいかない合コンは楽しくはないかもしれません。けれど、合コンに対する姿勢さえ間違えていなければ、その合コンも決して無駄にはなりません。この本と合コンで、皆さまの人生が更に豊かになることを願っています。

【引用・参考文献】
ヤニス・バルファキス(著)・関美和(訳)(2019)『父が娘に語る:美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい:経済の話。』ダイヤモンド社

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majima.minoru

これまでに4000件以上の合コンをセッティングし、4000件以上の合コンを見てきました。
合コンと本とスペアリブが好きです。当サイトを運営しています。

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